玉響の一花 あなたにもう一度恋を 三
邂逅(かいこう)
『霞ちゃんまたねー。
送り狼に襲われないように
気をつけてー。』
「蓮見さん!な、何言ってるんですか?
そんなことありませんから!」
『はいはい、ほら拓巳行くぞ。
井崎さんちゃんと話しなよ?』
亮さん‥‥
2人がタクシーに乗るのを筒井さんと
見送ると、私達もタクシーに乗り
あっという間にマンションのそばまで
来てしまった
「筒井さん‥ありがとうございます。
ゆっくり休んでくださいね。」
亮さんに話すんだよ?と言われたものの
タクシーの中ということもあり、
なかなか話しにくく難しかったのだ
また今度都合がいい日を聞いてみよう‥
『悪いがお前を1人で降ろすつもりは
ないから。』
ドクン
暗闇の中で綺麗な顔が私を真顔で
見つめると、心臓が大きく跳ねた
マンションまで着くと、スマートに
お金を払った筒井さんが一緒に
降りてしまい、私は何故か何も言えずに
隣に立つことしか出来ない
『少しだけ家に上がってもいいか?』
「‥‥は、はい。」
手を繋いで家の中まで向かうと、
部屋の暑さに一度換気をしてから、
エアコンを稼働させた
「筒井さん、飲み物何がいいですか?」
ネクタイをほどきソファに腰掛ける
筒井さんに尋ねると手招きされたので、
とりあえず冷蔵庫から冷たいお茶を
コップに注いでから隣に座った
『言いたくなかったらいいが、
何か俺に言うことがあるなら聞く。』
ドキッ
静かな室内で、エアコンの風の音と
私の心臓の鼓動のみが響いてしまう
私のことをよく見てる筒井さんだから、
誤魔化せないって分かってる‥‥。
私から言おうとしてたのに、先に
話しやすいような雰囲気にしてくれた
筒井さんに目頭が熱くなる
『また泣いて‥‥おいで‥‥』
腕を引き寄せられると、温かい腕の
中に閉じ込められ筒井さんの香りに
包まれた
「ごめんなさい‥‥わたし‥‥
筒井さんと一緒に居たいのに‥‥
今のままじゃダメだって‥‥。」
泣いたら困らせるって分かってるのに、
頭や背中を撫でる手があまりにも
優しくて涙がどんどん出てしまう
『どうしてお前はそう思うんだ?』
本当のことを伝えてもいいのか
急に不安になる‥‥。
それでも亮さんが言っていたように、
筒井さんはそんなことではきっと
怒ることもしないと思う
溢れ出る涙をグッと堪えてから、
筒井さんの胸から抜け出すと、
長い指が涙を拭ってくれ、
私を心配そうに覗き込んだ
送り狼に襲われないように
気をつけてー。』
「蓮見さん!な、何言ってるんですか?
そんなことありませんから!」
『はいはい、ほら拓巳行くぞ。
井崎さんちゃんと話しなよ?』
亮さん‥‥
2人がタクシーに乗るのを筒井さんと
見送ると、私達もタクシーに乗り
あっという間にマンションのそばまで
来てしまった
「筒井さん‥ありがとうございます。
ゆっくり休んでくださいね。」
亮さんに話すんだよ?と言われたものの
タクシーの中ということもあり、
なかなか話しにくく難しかったのだ
また今度都合がいい日を聞いてみよう‥
『悪いがお前を1人で降ろすつもりは
ないから。』
ドクン
暗闇の中で綺麗な顔が私を真顔で
見つめると、心臓が大きく跳ねた
マンションまで着くと、スマートに
お金を払った筒井さんが一緒に
降りてしまい、私は何故か何も言えずに
隣に立つことしか出来ない
『少しだけ家に上がってもいいか?』
「‥‥は、はい。」
手を繋いで家の中まで向かうと、
部屋の暑さに一度換気をしてから、
エアコンを稼働させた
「筒井さん、飲み物何がいいですか?」
ネクタイをほどきソファに腰掛ける
筒井さんに尋ねると手招きされたので、
とりあえず冷蔵庫から冷たいお茶を
コップに注いでから隣に座った
『言いたくなかったらいいが、
何か俺に言うことがあるなら聞く。』
ドキッ
静かな室内で、エアコンの風の音と
私の心臓の鼓動のみが響いてしまう
私のことをよく見てる筒井さんだから、
誤魔化せないって分かってる‥‥。
私から言おうとしてたのに、先に
話しやすいような雰囲気にしてくれた
筒井さんに目頭が熱くなる
『また泣いて‥‥おいで‥‥』
腕を引き寄せられると、温かい腕の
中に閉じ込められ筒井さんの香りに
包まれた
「ごめんなさい‥‥わたし‥‥
筒井さんと一緒に居たいのに‥‥
今のままじゃダメだって‥‥。」
泣いたら困らせるって分かってるのに、
頭や背中を撫でる手があまりにも
優しくて涙がどんどん出てしまう
『どうしてお前はそう思うんだ?』
本当のことを伝えてもいいのか
急に不安になる‥‥。
それでも亮さんが言っていたように、
筒井さんはそんなことではきっと
怒ることもしないと思う
溢れ出る涙をグッと堪えてから、
筒井さんの胸から抜け出すと、
長い指が涙を拭ってくれ、
私を心配そうに覗き込んだ