玉響の一花       あなたにもう一度恋を 三
首に回した手に少しだけ力が入って
緊張からか不安が増してしまう


誕生日に、指輪まで頂いて、
一緒に住もうって言ってくれた時の
あの嬉しかった気持ちは嘘じゃない


だからこそ、正直な気持ちを
ちゃんと大好きだからこそ伝えたかった



『‥‥お前と一緒に住むことなんて、
 これから先いつだって出来る。
 本当に霞がいいと思ったら、
 その時は遠慮なく引っ越して
 おいで‥‥待ってるから。』


筒井さん‥‥‥


たまらなく愛しい思いが体中から
ブワッと溢れてしまい、少しだけ
体を離すと、自分から筒井さんに
触れるだけのキスを落とした。



『フッ‥‥こら‥泣いた罰だから
 治療するぞ。』


「えっ!?‥‥痛っ!!」


久しぶりに思いっきり摘まれた鼻を
押さえると、次の瞬間筒井さんの唇が
私の唇に触れ、深いキスをその場で
何度も落とされ絡め合う舌の熱や、
何度も角度を変えて啄まれる唇に
体から力が抜けると、そのまま
一気に体を抱えられ持ち上げられた



『‥‥‥今日はここに泊まっても
 いいか?』


ドクン


いわゆるお姫様抱っこを軽々と
されている常態で、至近距離で
見つめられると目が逸らせず、
真っ赤になりながらも小さく頷いた



この間は眠いフリをして逃げて
しまったけど、今日は素直に筒井さんに
包まれたかったのかもしれない


『フッ‥‥顔が真っ赤‥‥
 一緒にシャワーを浴びるぞ。』


「えっ?‥一緒にですか!?
 私待ってます‥んっ」


『悪いが今日は聞いてやれない。
 ‥‥‥早くお前を抱きたい。』


唇を噛むように啄むと、
更に顔が赤くなるような台詞を
耳元で囁かれ、そのまま脱衣所に
運ばれると観念して一緒に
シャワーを浴びることになった。



『どうかしたのか?』


「‥‥‥恥ずかしかったです。」


浴室では普通にお互いシャワーを
浴びただけだけど、やっぱりどうしても
恥ずかしくて電気を脱衣所のみに
してもらったものの思い出すだけで
顔から火が出そうだ


筒井さんは顔色ひとつ変えずに
落ち着いてて私だけアタフタしてるから
余計に恥ずかしい‥‥


こんなこと、きっとずっと慣れる日なんて私には来ない‥‥



私の髪の毛を乾かしてくれた筒井さんは
先にリビングの方へと行ってしまい、
スキンケアを終えてから私も喉が
カラカラでキッチンへと向かった。
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