玉響の一花       あなたにもう一度恋を 三
おでこに唇を落とされると、
筒井さんの指が私の両目から溢れた涙を
そっと拭った後、頬を包まれ深い
キスを唇に落とされた


「ンッ‥‥‥」


息継ぎを許さないほどに角度を変えて
ずっと塞がれる深いキスに、全身が
とろけてしまいそうになると無意識に
筒井さんの首に両手を回していた


より密着した体により、どんどん深くなるキスに溺れていると、胸の締め付けが
プツンと緩まり、腰からなぞる様に
上がって来た手が胸を包み込んだ


「ンッ‥‥ハァ‥‥」


ベッドに寝かされると、自由に動き回る
筒井さんの手や指にその都度体が
恥ずかしいくらいに反応してしまい、
息もどんどん荒く苦しくなる


「アッ!!‥‥イヤッ‥‥」


『フッ‥‥イヤじゃないだろ?
 体は素直なんだがな‥‥‥』


敏感な部分を指と舌先が攻めると、
頭の中が真っ白になるほど痺れ、
そこからはもう筒井さんの甘さに
意識が飛ぶまで翻弄され続けたのだ


「ハァ‥‥ンッ‥‥」


『大丈夫か?‥‥今日は特に素直だな』


汗ばんだおでこをそっと筒井さんの手の甲が撫でると、涙目になる私に覆い被さり、繰り返される気持ちいい律動と
甘いキスに溺れていった。


何度抱かれてもいつも余裕がなくなり、
自分の洗い呼吸に筒井さんの吐息が
混じり、うっすら開けた視線の先に
私を見つめる優しい瞳に、また涙が
溢れそうになる



「筒井さ‥‥」



抱き締めあった後、いつものように
抱えられたままお湯を溜めた浴槽に
連れて行ってもらうと、後から来た
筒井さんが私にペットボトルのお水を
渡してくれ飲ませてくれた。



『大丈夫か?』


後ろから抱き抱えられた私の首筋に
触れる唇にも、まだ体が敏感なままで
反応してしまう


まだ繋がってるみたい‥‥‥
そんなことを思うほど激しかった行為を
思い出すと体温が上がりのぼせそうに
なる


「ふぅ‥大丈夫です‥‥つ、筒井さんは
 その‥‥疲れてませんか?」


毎日の忙しい仕事に加え、引越しの
お手伝いもかなり助けてくれたし、
私が居たらゆっくり休めないんじゃ
ないかな‥‥


白く濁ったお湯を何度も掌で私に
かけてくれる手をフワフワした頭で
眺めてしまう


『‥‥お前はもっと自分の事だけ
 考えてもいい‥‥嬉しいが、
 もっと我儘なお前も見てみたい。』


えっ?


我儘な私?
結構筒井さんのことを困らせて来てる
のにこれ以上我儘なんて言えない‥
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