玉響の一花 あなたにもう一度恋を 三
「お疲れ様でした。」
就業後、制服から私服に着替えると、
佐藤さんに挨拶をしてそのまま
エレベーターに乗り7階を目指した
金曜日ということもあり帰る人が
多い中、上に向かう私は色々な人に
ジロジロと見られてしまうものの、
ドクドクと煩い心臓の音しか私には
聞こえないくらい緊張してしまっている
『お疲れ!!そんなところで
立ち止まってどした?』
「わっ!!蓮見さん!!ビックリ
させないでください‥‥あっ、
古平さん、お疲れ様です。」
人事に行くには総務課の前を通らないと
いけないので、必然的にこうして
捕まってしまうのだ
「井崎さんお疲れ様。
どうしたの?何か用事でもあった?」
『コダ、それを聞くのは野暮でしょ。
この先に誰がいると思ってるの?』
「ち、違いますから!!仕事で
筒井さんに呼ばれたので!!」
もう!!
誰が聞いてるか分からないのに、
蓮見さんはいつも私の事を揶揄ってくる
から、私の方が焦ってしまう
『井崎さん、ごめんね。
ほら、私達は帰りますよ?』
『はいはい、じゃあね霞ちゃん
また来週!!』
2人で仲良く帰る姿は、恋人になっても
変わらずで羨ましいな‥‥
2人とも私達のように、敢えて自分
達からは関係性が変わったことを
言うつもりはないみたいだけど、
バレたらバレたでいいらしい。
話せたことで少しだけ気が紛れたから、
助かったな‥‥
もう一度深呼吸をすると、ゆっくりと
足を進めて、隣の人事課の入り口に
IDをピッと通してから入った。
「お疲れ様です」
まだ数人社員さんが帰宅の準備を
していたので頭を下げて挨拶しながら
奥でパソコンに向かって仕事をまだ
されていた筒井さんの元へ向かうと、
そこに見たことがない人が2人いて
目があったので頭を下げた。
『お疲れ様です。
受付の井崎さんだよね?俺、
経営戦略部5年目の林です。』
『私は4年目の生田です。
普段は研究室で働いてます。』
「お、お疲れ様です。
受付の井崎 霞です。
今年で入社して3年目になります。」
ハキハキと挨拶してくれる先輩方に
思わず焦ってしまいながらも、
自己紹介すると2人ともニコっと
笑ってくれた。
『よし、揃ったようなので、用件を
お伝えします。もう分かっているかも
知れませんが、11月に開催される
海外への研修と称した創立記念
パーティーへの応募の件ですが、
ここにいる3名の方々に行っていた
だくことになりました。
希望地は林さんと生田さんは
スイスでしたのでそのままスイス
支社にいるイリスに赴くことを
伝えますがよろしいですか?』
『『はい!』』
心臓がドクドクと止まらない‥‥。
どうしよう‥‥選ばれるなんて
思っても見なかったから嬉しすぎて
泣きそうになる‥‥
『井崎さん』
「は、はい!」
『井崎さんは僕と一緒にフランスへ
行くことになりますがよろしい
ですか?』
筒井さんと一緒‥‥に?
「‥はい‥‥よろしくお願いします。」
頭を下げてお辞儀をした後に、
筒井さんと視線がぶつかると、優しい
表情で小さく頷いてくれた
就業後、制服から私服に着替えると、
佐藤さんに挨拶をしてそのまま
エレベーターに乗り7階を目指した
金曜日ということもあり帰る人が
多い中、上に向かう私は色々な人に
ジロジロと見られてしまうものの、
ドクドクと煩い心臓の音しか私には
聞こえないくらい緊張してしまっている
『お疲れ!!そんなところで
立ち止まってどした?』
「わっ!!蓮見さん!!ビックリ
させないでください‥‥あっ、
古平さん、お疲れ様です。」
人事に行くには総務課の前を通らないと
いけないので、必然的にこうして
捕まってしまうのだ
「井崎さんお疲れ様。
どうしたの?何か用事でもあった?」
『コダ、それを聞くのは野暮でしょ。
この先に誰がいると思ってるの?』
「ち、違いますから!!仕事で
筒井さんに呼ばれたので!!」
もう!!
誰が聞いてるか分からないのに、
蓮見さんはいつも私の事を揶揄ってくる
から、私の方が焦ってしまう
『井崎さん、ごめんね。
ほら、私達は帰りますよ?』
『はいはい、じゃあね霞ちゃん
また来週!!』
2人で仲良く帰る姿は、恋人になっても
変わらずで羨ましいな‥‥
2人とも私達のように、敢えて自分
達からは関係性が変わったことを
言うつもりはないみたいだけど、
バレたらバレたでいいらしい。
話せたことで少しだけ気が紛れたから、
助かったな‥‥
もう一度深呼吸をすると、ゆっくりと
足を進めて、隣の人事課の入り口に
IDをピッと通してから入った。
「お疲れ様です」
まだ数人社員さんが帰宅の準備を
していたので頭を下げて挨拶しながら
奥でパソコンに向かって仕事をまだ
されていた筒井さんの元へ向かうと、
そこに見たことがない人が2人いて
目があったので頭を下げた。
『お疲れ様です。
受付の井崎さんだよね?俺、
経営戦略部5年目の林です。』
『私は4年目の生田です。
普段は研究室で働いてます。』
「お、お疲れ様です。
受付の井崎 霞です。
今年で入社して3年目になります。」
ハキハキと挨拶してくれる先輩方に
思わず焦ってしまいながらも、
自己紹介すると2人ともニコっと
笑ってくれた。
『よし、揃ったようなので、用件を
お伝えします。もう分かっているかも
知れませんが、11月に開催される
海外への研修と称した創立記念
パーティーへの応募の件ですが、
ここにいる3名の方々に行っていた
だくことになりました。
希望地は林さんと生田さんは
スイスでしたのでそのままスイス
支社にいるイリスに赴くことを
伝えますがよろしいですか?』
『『はい!』』
心臓がドクドクと止まらない‥‥。
どうしよう‥‥選ばれるなんて
思っても見なかったから嬉しすぎて
泣きそうになる‥‥
『井崎さん』
「は、はい!」
『井崎さんは僕と一緒にフランスへ
行くことになりますがよろしい
ですか?』
筒井さんと一緒‥‥に?
「‥はい‥‥よろしくお願いします。」
頭を下げてお辞儀をした後に、
筒井さんと視線がぶつかると、優しい
表情で小さく頷いてくれた