忘れられるはずがない〜ドクターに恋して〜


こんな狭い浴室に大人の男女が裸で二人シャワーを浴びている。

時折触れ合う肌の感覚に敏感になり、気が付くと彼の下腹部が熱くなり、たかかぶっていることに気がついた。
葵はそれをずっと見つめてしまった。

「悪い。生理現象だし無視して、そのうちおさまる」

そう言いながら、彼は先に上がる、と、絞ったタオルで自分の体を拭いた。


葵は突然、何も言わずに彼の腰に腕を回した。

「なに?」
と少し苛立たしげに、彼が聞く。

葵は座ったまま彼のたかぶりを握りしめた。
彼は何も言わずに葵を見下ろしている。

そういうことに慣れているわけではない。
けれど、せめて何か彼にしてあげられる事があるとすれば、これしかないような気がした。

葵の手の動きに、いっそう彼のものは硬くなり、肩に置いた両腕に力がこもる。

目の前にあるそれに葵は口を付けた。
初めての経験だった。今まで付き合った相手にもしたことがなかった行為だった。
彼は途端、もう達く。出るといい葵の顔を押しのけた。
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