忘れられるはずがない〜ドクターに恋して〜

脱げ

「脱げ」

突然山本が言いだした。

「え?……なんで?嫌です!」

葵は睨み返した。なにその俺様。

「さっきのじゃ、全然足りてないから。まだまだやりたいから」

「自分で、勝手にすればいいでしょ」

「命の恩人なんだよな?なんでもしてあげたいって言ったよな?お礼したいんだよな?……脱げ」

ヒーローだった人は一瞬にして傲慢な野獣へと変身する。

ヤバい。怒らせたよね?謝る?いやいやなんか悔しいからそれはできない。

「吊り橋効果なんだろ?山があったら登りたいんだろ?……脱げ」

なによ、なんか屈辱的だ。ものすごく腹が立つ。早いくせに。
葵は潔く全裸になった。

「ほら、そこ。布団を敷きなおした。病気のお前の為に。シーツも新しいのに交換した。優しいドクターだよな俺」

わかったわよ!速攻でイカせてあげるわ。

葵はヤケになっていた。



中をほぐしている間ずっと、葵は腰を震わせながらも『山本さんのをさせて』と懇願したが、ダメそれは次やってと断わられた。
彼を先にいかせるつもりだったのに、主導権を完全に握られた。

「太一(たいち)って呼んで」

そう言って彼は執拗に葵を攻め立てた。


葵はこんな滅茶苦茶な吸われ方されたらいくらなんでも、自分のほうが先に瞬殺かもしれないと思い、足に力を入れて閉じようとする。
それを彼は許さず、がっしりと両足を開かせ固定する。

そして長く長く葵の中を満たした。

目の前で涙を溢れさせながら歯を食いしばるようにして我慢している葵をぎゅっと抱きしめると。

「いっしょにイクぞ……」

太一はそう言って、同時に到達するためにラストスパートをかけた。




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