忘れられるはずがない〜ドクターに恋して〜
葵は緊張して、そわそわしていた。

あまりにも久しぶりだ。ちゃんとできるだろうか。
あのキャンプ場で、ボロボロになっていた状態でしたのが最初で最後だった。
それ以来こういう事は、タイミングが合わずにしていなかった。

そう思うと不安で仕方がない。
その様子を見て取ったのか。

「葵、シャツを上げて」

太一は考え込んでいる葵を傍に呼んで足の間に立たせてシャツをめくらせた。
ちゅうと音を立てて右の胸に吸い付くと反対の手で左側の先端を親指を使て優しく撫でた。

舌を使い葵の胸に熱い息を吹きかける。

「あっ……」

葵は声を出してしまった。敏感に反応してしまう。
太一は両手で背中やわき腹を撫でながら、葵の全身に唇を這わす。

葵は太一の頭を自分の胸に押し当てる。
いつの間にか頭の中は太一の気持ちの良い行為で一杯になる、葵の半身は完全に熱くなっている。

触られてもいないのに、葵の腰が前後してモジモジ動いてしまっている。その様子を確認しながら、背中をぐっと引き寄せて、指が優しく下へ移動する。

「う……」

思わず声を上げてしまう。

恥ずかしさのあまり腰を折って前を隠すような姿勢になった葵に

「きもちいい?」
と、太一は意地悪く囁いた。

「汚れたな、奇麗にしてあげようか?」
続けざまに発せられた言葉に赤面した。



その夜は「かわいい、かわいい」とひたすら連呼されながら、葵は太一に抱かれたのだった。

太一が葵の緊張を解くためにサービス精神旺盛に抱いてくれたのか、はたまた自分の抑えきれない性欲のせいなのかははっきりしないが、翌日、程よい疲れと満足感で葵は満たされた朝を迎えた。



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