人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています
 必死に白いうさぎを探し、四日目の夜。
 何かにスコップがぶつかり、その先を手袋をはめた手で掘り起こした。

 金属製の小動物用のゲージだった。まさかと思い、必死に掘り起こす。
 そこにつけられたのは、可愛らしくうさぎ型に切り抜かれた木のボードと、〝うさまる〟の文字。

 間違いない。

 逸る気持ちで掘り返す。
 土に埋まったゲージを掘り出し、歪んだふたを引っ張り開け、中に入り込んだ泥を掻き出した。
 すると、何かに手が当たる。柔らかい。きっと、うさまるだ。

 そこからは優しく、丁寧に土を取り去った。やがて、泥にまみれた垂れ耳のうさぎが姿を現した。残念だが、もう息を引き取っている。

 勇朔は首にかけていたタオルで、優しくうさまるをくるんだ。
 どうにかして、うさまるが見つかったことを彼女に知らせたい。
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