人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています
「うさまる……」

 うさまるが、見つかった。大切な家族が、行方知らずのままになるかもしれなかった家族が、私の元に戻ってきてくれた。
 もう会えないけれど、たしかにここにいる。それが、悲しいけれど嬉しい。

 祖母がうしろからやってきて、私の肩にそっと手をおいてくれた。

「うさまるちゃん、戻ってきてくれたわね」

「うん。……千歳さんの、おかげだ」

 私は規制線の向こうをじっと見た。千歳さんは、どこにいるのだろう。

「おばあちゃん、私、千歳さんにお礼言いにいきたい」

「そうね。でも、今は行けないのは分かるでしょ? 落ち着いたら、お手紙でも書きましょう」

「うん」

 私は規制線の向こう側に深々と頭を下げ、うさまるのプレートを手にその場を後にした。
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