人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています
2 守りたい人
勇朔さんは話し終えると、ほう、と息をつく。私は降り続く雨をじっと見ながら聞き入っていたが、彼の物語が終わるとそっと顔を上げた。
見上げた勇朔さんの顔は凛々しいが、どこか儚げに揺れている。私は、いつだったか、彼に聞いた夢の話を思い出していた。
『自衛隊幹部になって力をつけ、上官になって〝人の心まで守る〟自衛隊を作りたいと、今はそう思っています』
勇朔さんが上を目指すのは、このことがあったからなんだと思い知る。あまりにも残酷な、だけど誰のせいでもない命の終焉を、勇朔さんは止めたいと思っているんだ。
「人を守るということは、その人の心まで助けられなければ意味がない。そう胸に刻み、俺は自衛官として国を、国民を守るという信念を、持って生きてきました。だけど、時々不安になるんです」
思わず「え?」ともらす。すると彼は、優しい笑みを私に向けた。
見上げた勇朔さんの顔は凛々しいが、どこか儚げに揺れている。私は、いつだったか、彼に聞いた夢の話を思い出していた。
『自衛隊幹部になって力をつけ、上官になって〝人の心まで守る〟自衛隊を作りたいと、今はそう思っています』
勇朔さんが上を目指すのは、このことがあったからなんだと思い知る。あまりにも残酷な、だけど誰のせいでもない命の終焉を、勇朔さんは止めたいと思っているんだ。
「人を守るということは、その人の心まで助けられなければ意味がない。そう胸に刻み、俺は自衛官として国を、国民を守るという信念を、持って生きてきました。だけど、時々不安になるんです」
思わず「え?」ともらす。すると彼は、優しい笑みを私に向けた。