人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています
 優しく紡がれる言葉は、私の鼓動を早める。

「あなたが好きだから。あなたのそばにいたいんです」

 ストレートな告白は、一体何度目だろう。だけど、今のこれは、それまでとは違う。
 彼がうさまるを救ってくれた、ずっと探していた〝彼〟だったのだから。それに、睦姫さんのことも関係ないなら――。

 ごくりと唾を飲み、心を落ち着かせる。
 そして想いを伝えようとしたそのとき、勇朔さんの顔がふと曇り、それから彼は自嘲するような笑みを浮かべた。

「だから、せめて〝千歳〟が見つかるまでは。俺、諦めませんから、それまではそばにいてほしいんです」

「違うんです、私は――」

 あなたを探していたんです。

 その言葉は、けたたましい緊急速報の音にかき消された。

 私の鞄から、勇朔さんのジャケットのポケットから、耳に心地悪い音が聞こえる。私は手にしていたうさまるのぬいぐるみもプレートも鞄に放って、慌ててスマホを手に取った。
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