人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています
 思わず「え?」と声が漏れる。

 すると、勇朔さんは私の顔に自身の顔を近づけた。おでこがぶつかりそうな距離に、急速に鼓動が早まる。

「あなたが俺を好きなのだと、勘違いしてしまいそうです」

 はっと目を見開く。すると勇朔さんは、困ったように眉をひそめた。

「勘違いなんかじゃないです!」

 思わず叫んでいた。今度は、彼の目が見開かれる。

「私は勇朔さんが好きだし、愛しています。これから先も、ずっと一緒にいたいです」

 誤解されるのが嫌で口早に告げると、何かが私の唇に当たった。
 柔らかくて、温かい。
 それが彼の唇だと気づき、私の鼓動はありえないくらいに速くなる。
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