人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています
 見上げると、優しい笑みと目が合った。
 だけどそれは、先ほどのものよりもずっと愛しく、大切に感じる。

「俺も、あなたを愛しています」

 勇朔さんの言葉が、胸に響く。

 再びあふれ出した涙は、先程までのものと違う。幸せと、喜びと、たくさんの愛の詰まった、とびきり幸せな涙だ。

「これから先、俺とともに、生きてくれますか?」

「はい!」

 私はたまらず、彼の背に伸ばす腕に力を加えた。すると、勇朔さんの腕が私を包み込む。

「もう一度言わせてください。愛しています、芽郁さん」

 すると勇朔さんに、早急に唇を奪われる。私は驚きながらも嬉しさが勝り、彼のキスに身を任せた。

 愛しいヒーローとの、幸せな未来に想いをはせながら。
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