人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています
 ***

 そして、今日は退院の日。
 もちろん私は勇朔さんを迎えに行き、そのままふたりで帰宅した。

「おかえりなさい、芽郁さん。……羽田一尉⁉ わー、退院されたんですね! おめでとうございます!」

 官舎の入口で成田さん一家に会い、成田さんはそう言って喜んでくれた。

「羽田一尉、助けてくれたときすごいかっこよかったって、芽郁さんが言ってた」

「ぼくたちも、心配してたんだよ」

 愛入ちゃんと琉人くんがそう言い、私は恥ずかしくなる。
 勇朔さんは繋いでいた手の力を込めた。どうやら私は、逃げられないらしい。

「ご心配をおかけしました。もうすっかり良くなったので、今後ともよろしくお願いいたします」

 勇朔さんがそう言って、頭を下げる。
 私もぺこりと頭を下げると、成田さん一家は優しく微笑んでくれていた。
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