人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています
 自宅を出る前に仕込んでおいた夕飯をあたため、勇朔さんといただいた。
 久しぶりにふたりで囲む食卓は、優しくて温かい気持ちになる。

「美味いです」

 勇朔さんはそう言って、病み上がりとは思えないほどたくさんご飯をおかわりした。

 それから、食後にお茶をふたりで飲んでいると、不意に勇朔さんが頭を下げた。

「たくさんの事を俺は誤解していたようで、本当に申し訳なかったです」

 突然のことに一瞬固まり、それから「お互い様です」と慌ててかぶりを振った。
 すると勇朔さんは頭を上げ、とびきり優しく私に微笑む。

「俺の夢は変わりません。国民を、国を心ごと守ることのできる、強い自衛隊を作りたいと思っています。そのために、あなたにそばにいてほしいと、心から思っています」

 勇朔さんの声色は真剣で、思わず私の背筋がしゃんとする。
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