人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています
「もうすぐクリスマスですし、人恋しいんじゃないですか?」

「確かにクリスマス、近いね」

 この駐屯地祭りで〝千歳さん〟が見つかれば、聖なる夜のプレゼントになるとは思う。彼との再会を想像し、少し口角が緩んだ。

 そろそろ、この〝千歳さん〟探しも報われないかなぁ。

「げ、これ良く見たら熊本じゃないですか。本当に行くんですか⁉」

 鈴華は私のスマホをもう一度覗き、ぎょっとした。

「っていうか芽郁先輩。そんなに自衛官と出会いたいなら、もっとお手軽な方法があるじゃないですか」

「え?」

「今はネットの時代ですよ」

 鈴華はそう言うと、残りのサンドイッチを頬張り、自分のスマホの画面を私に見せてきた。そこに映っていたのは、有名なマッチングアプリの起動画面だ。
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