人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています
鈴華は私からスマホを奪うと、その画面を見つめる。
「羽田勇朔二十八歳、陸上自衛官で一尉。身長は一七九センチ、体はがっしりしてそうですね。写真もイケメンだし、いいじゃないですか」
鈴華はこちらを見てにやりとした。
鈴華に見せた画面は〝スキ〟というアピール機能を送ってきた男性のプロフィール画面。そこには彼から何回〝スキ〟が送られてきたかが書かれているのだけれど、彼からの〝スキ〟はたった一晩で十回。
「先輩からもなんかアクションしてみたら良いんじゃないですか?」
「それが……」
困っているのは、彼からメッセージが送られてきているからだ。
鈴華に返されたスマホを操作し、その画面を鈴華に見せると、彼女は小さく「きゃー」と黄色い悲鳴をあげた。
「芽郁先輩、このアプリはですね、男性会員は登録だけでお金がかかるんです。なのに、お金をかけて〝スキ〟を十回、さらには有料のメール送信まで! 脈がない方がおかしいです」
「でも、怪しくない?」
「何言ってるんですか、本人確認の厳しい優良サイトですよ? 絶対大丈夫ですって! 迷ってないで先輩も【ぜひ会いたいです】って返信すればいいんですよ。返信は無料ですし」
「でも――」
私は恋がしたいわけじゃない。彼が千歳さんなら喜んで返信しただろうけど、彼は別人だ。
困っていると、鈴華はそんな私の顔を覗き込んできた。
「羽田勇朔二十八歳、陸上自衛官で一尉。身長は一七九センチ、体はがっしりしてそうですね。写真もイケメンだし、いいじゃないですか」
鈴華はこちらを見てにやりとした。
鈴華に見せた画面は〝スキ〟というアピール機能を送ってきた男性のプロフィール画面。そこには彼から何回〝スキ〟が送られてきたかが書かれているのだけれど、彼からの〝スキ〟はたった一晩で十回。
「先輩からもなんかアクションしてみたら良いんじゃないですか?」
「それが……」
困っているのは、彼からメッセージが送られてきているからだ。
鈴華に返されたスマホを操作し、その画面を鈴華に見せると、彼女は小さく「きゃー」と黄色い悲鳴をあげた。
「芽郁先輩、このアプリはですね、男性会員は登録だけでお金がかかるんです。なのに、お金をかけて〝スキ〟を十回、さらには有料のメール送信まで! 脈がない方がおかしいです」
「でも、怪しくない?」
「何言ってるんですか、本人確認の厳しい優良サイトですよ? 絶対大丈夫ですって! 迷ってないで先輩も【ぜひ会いたいです】って返信すればいいんですよ。返信は無料ですし」
「でも――」
私は恋がしたいわけじゃない。彼が千歳さんなら喜んで返信しただろうけど、彼は別人だ。
困っていると、鈴華はそんな私の顔を覗き込んできた。