人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています

4 受け取ってしまった想い

 その後、羽田さんは夜景の見えるレストランへ連れてきてくれた。といっても、カジュアルなレストランで、気負わずに入れるような所だ。

 シャンパンで乾杯し、おしゃれな前菜に舌鼓。付け合せのパンをいただきながら、彼との話に花が咲く。
 穏やかな彼は常に話題をくれ、彼の博識さに驚かされる。その中でも、自衛隊ならではの話はとても面白い。

 羽田さんは今、副官という職業についているそうで、主な仕事は上官のサポート。彼の働く駐屯地にいる、師団長の補佐をしているのだそう。スケジュール管理や事務作業をおこなっているらしく、まるで社長の秘書みたいだと思った。

 自衛官といえば訓練をし有事の際に備えているとばかり思っていたから、その仕事の幅の広さに驚かされた。しかも、勇朔さんは副官の仕事に就けたことは、上官の仕事を学べるいい機会だという。

「こんな話で、楽しいですか?」

「はい。知らないことばかりなので、とても面白いですよ」

 そう答えると、羽田さんは安堵したように優しく微笑む。その表情に、胸がいちいち跳ねてしまう。顔が整っているうえに優しいのは、反則だと思った。
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