人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています
 やがてデザートも食べ終え、食後のコーヒーをたしなんでいたとき。

「伊丹芽郁さん」

 羽田さんに不意にフルネームで呼ばれ、「はい」と彼をじっと見た。

「今日は、とても楽しい時間を過ごせました。あなたのおかげです」

「いえ、私も楽しかったです」

 優しく綻ぶ彼の顔に、私も嬉しくなる。だけど、すぐに真剣な顔になった彼に、ドキドキしながらも申し訳なさを感じた。

「今日を通して、俺はあなたとお付き合いしたいと、改めて感じました。どうか、俺にあなたを守らせていただけないでしょうか」

「あ……えっと……」

 うしろめたさから思わずうつむき、しどろもどろになっていると、「芽郁さん」と優しく名を呼ばれた。

「俺はあなたと、真剣に交際をしたいと思っています」
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