人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています
「あなたの役に立ちたいんです」

 確かに、自衛官の知り合いがいるというのは心強い。北熊本駐屯地に赴くのは初めてなのだ。

「でも、いいんですか? お仕事とか――」

「都合をつけるので大丈夫です」

 きっぱりと言われてしまい、断る理由もない。
 私は羽田さんに飛行機の便と宿泊するホテルを教えた。すると、「なるべく同じにしますね」と羽田さんは微笑んだ。

 やがて、私のマンションの前に着く。羽田さんは「また」と、踵を返して行ってしまった。
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