人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています

2 唐突なプロポーズ

 翌朝、ロビーで羽田さんと落ち合って共に朝食を食べた。
 それから、同じ便で東京に帰る。熊本空港で飛行機を待っていると、不意に羽田さんが口を開いた。

「この旅で、〝千歳〟が見つからなかったら提案しようと思っていたことがあるのですが」

 窓の外の飛行機を目で追っていた私は、「ん?」と彼を振り返った。

 空港内はクリスマスという時期も相まってか、寄り添う恋人や冬休みとおぼしき家族連れが多い。そんな中、羽田さんは難しい顔をしながら、私をじっと見つめる。
 そして。

「婚約をしませんか?」
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