人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています
「どうでしょうか?」

 羽田さんはこちらをじっと見つめる。しかしそこで、飛行機の搭乗案内があり、羽田さんは搭乗口へと体を向けた。

 その背を、私は見つめる。

 彼はこんなに優しくしてくれるのだから。私もこんなに、探し続けているんだから。
 勇気を出して、口を開く。

「あの……」 

 羽田さんが「はい?」と振り返る。

「……婚約、お受けします」

 意を決して、そう返す。
 羽田さんは目を瞬かせ、それから優しく「ありがとうございます」と微笑んだ。
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