人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています
 私はベッドサイドに置いたチェストに、うさまるのプレートを飾った。その隣に、あの日羽田さんにもらったうさぎのぬいぐるみも置く。

 すると、コンコンとノック音がして、「はい」とドアを振り返った。ジーンズにトレーナー姿の羽田さんが、こちらに顔を覗かせていた。

「必要なものがあれば、後で一緒に買いに行きましょう」

「はい」

 そう答えると、羽田さんはぐるりと私の部屋内を見回す。

「あの、何か……?」

「いや、俺の部屋と同じ大きさのはずなのに、やたら広く感じたので。きっと、俺が大柄なせいですよね」

 羽田さんはそう言って微笑むと、「リビングにいますね」と去っていった。
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