人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています

3 自衛官との官舎暮らし

 翌朝、目が覚めるとダイニングからいいにおいが漂っていた。
 時刻は午前六時。当然、窓の外はまだ暗い。勇朔さんはどうやら、早起きらしい。

 起き上がり、スウェットのまま部屋を出ると、すでに着替えを済ませた勇朔さんが玄関に立っていた。

「起こしてしまいましたか?」

「いえ……、もう出るんですか?」

「ええ。俺は毎朝この時間に出ますが、芽郁さんは気にせず寝ていていいですからね。朝ご飯をテーブルに用意しておいたので、温めて食べてください」

 勇朔さんはそう言うと、ふわりとした笑みを浮かべる。

「ありがとうございます」

 起き抜けの脳ではお礼を言うくらいしかできない。
 朝から爽やかな勇朔さんの微笑みは、かっこいい。私はぼうっとしたまま、つい、にまにましてしまう。
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