人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています
 その後、駆けつけた警察官に連れられて、私はとぼとぼと規制線のところまで戻った。祖母が迎えに来ていて、泥だらけの私を抱きしめてくれた。
 私は規制線の向こう側を振り返った。うさまるが、無事見つかりますように。

 それから、祖母が受け付けをしてくれた避難所の公民館で、シャワーを浴びた。
 体育館みたいな床に膝を抱えて座り、毛布をかぶる。私はそのまま、自衛官の彼が肩に掛けてくれた、迷彩柄の服の裏地に縫われた名前をじっと見ていた。

〝千歳 仁斗 第百二施設直接支援大隊 二等陸曹〟

千歳(ちとせ)仁斗(じんと)さん……」

 きっと彼が、うさまるを見つけてくれる。そう、信じて。
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