人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています
「わあ、チンアナゴだ!」
入口にいたのは砂の中に潜って頭だけをのぞかせる、にょろにょろとした細長い魚。白地に黒い斑点の小さなそれは、魚なのに土に潜る変わった生き物だ。
「お好きなんですか?」
「はい。なんだか、ひょっこりしていてかわいくないですか?」
うしろにいた勇朔さんを振り返ると、彼は「そうですね」と優しく微笑む。そんな大人な勇朔さんを見ていると、なんだか私だけがはしゃいでしまったようで恥ずかしい。動物園のときもそうだったと思い出し、慌てて口を開いた。
「すみません、子どもっぽくて」
謝ると、「いえいえ」と勇朔さんは軽く首を横に振った。それから、ふふっと笑って言う。
「掩体構築訓練を、思いだしてしまいました」
「えんたい、こうちく……?」
頭の上に疑問符を立てていると、勇朔さんは自衛官なら誰もが一度は経験する訓練で、中に入って銃を構えるための穴、掩体を掘り構築するというものなのだと説明してくれた。
入口にいたのは砂の中に潜って頭だけをのぞかせる、にょろにょろとした細長い魚。白地に黒い斑点の小さなそれは、魚なのに土に潜る変わった生き物だ。
「お好きなんですか?」
「はい。なんだか、ひょっこりしていてかわいくないですか?」
うしろにいた勇朔さんを振り返ると、彼は「そうですね」と優しく微笑む。そんな大人な勇朔さんを見ていると、なんだか私だけがはしゃいでしまったようで恥ずかしい。動物園のときもそうだったと思い出し、慌てて口を開いた。
「すみません、子どもっぽくて」
謝ると、「いえいえ」と勇朔さんは軽く首を横に振った。それから、ふふっと笑って言う。
「掩体構築訓練を、思いだしてしまいました」
「えんたい、こうちく……?」
頭の上に疑問符を立てていると、勇朔さんは自衛官なら誰もが一度は経験する訓練で、中に入って銃を構えるための穴、掩体を掘り構築するというものなのだと説明してくれた。