モテ王子とのルームシェア、お断りします
あぁー、私の平穏な人生が。



せっかくここまで築いてきた人間関係なんかが全部崩れちゃいそう。



「ほんとにいいのか?土下座してやったらみんなには言わないでやってもいいけど。鈴原さん嫌がらせされちゃうよ?」



日野くんが追い打ちをかけるように渚くんに詰め寄る。



終わったな、とため息をつきかけたその時。



渚くんが口を開く。



「いーよ。俺が一生かけて守るから」



その表情は水晶玉みたいな嘘のない瞳で、あんまり見ない真剣なものだった。



─────その言葉、本音だったらいいな、なんて。
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