モテ王子とのルームシェア、お断りします
感謝してもしきれない。



「じゃーね」



これが言いたいことだったのか萌果ちゃんはそう吐き捨てた。



「う、うん」



あっ、言っちゃった。



待って、聞きたいことがあるのに。



「ま、待ってっ!」



よかった、ちゃんと呼び止められた。



いつもはこういう時声が出ないのに。



「何?」



「あの、あのさ!」



私が聞きたいこと、それは。



「萌果ちゃんはまだ渚くんのこと好きなの?」



萌果ちゃんの気持ちもちゃんと知っておきたい。
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