モテ王子とのルームシェア、お断りします

「ただいま」



あからさまに不機嫌な声が玄関先から響いて渚くんが帰ってきたことが一瞬にして分かった。



無視は出来ないので軽く返事をする。



「おかえり」



「まじでお前と席隣とかやってけねーんだけど」



帰宅早々、苛立ちがひと目でわかる顔で渚くんがそう言ってきた。



そ、それ私のセリフだから。



ムカついて言い返したかったけどもうそんな気力すらもない。