へなちょこリリーの惚れ薬
試練
長い長い黒い髪。真っ白な肌。
そして、黒いピッタリとしたドレスを身にまとっている、彼女の下半身は、石だった。
「リリー・ロックね。私は黒百合。あなたたちの世界で言う『精霊』よ」
「……初めまして。私は」
「あのクソババアの孫でしょ」
……女神、という割に、彼女は口が悪かった。
「アンタのババアにやられたのよ。ローズ・ロックにね」
石化して、彼女は動けないらしい。
「どうして? うちのおばあちゃんが」
「知ってるんでしょう? ノアを殺したからよ」
あなたが殺したのね。
「……どうして……? おばあちゃんは、止めたはずよ」
「ローズには言ったわよ。ノアが人柱にならないと、ラウネルは滅びるって」
「別の方法がなかったの……?」
「あったわよ」
え?