へなちょこリリーの惚れ薬
黒百合はケタケタと笑う。
耳障りな高い声。


「ローズもガキの頃はそうだったわ。他力本願でイライラする娘だった」
「おばあちゃんを悪く言わないで!」
「本当のことを言ってるのよ。あの子が死ねば、ノアは助かったのに」


ギュウ……と、髪の毛がトレニアの首を締め付けた。


「トレニアを離して!」
「自分でなんとかしたら?」
「……!」
「考えなさい、考えないとオトモダチが死ぬわよ」
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