へなちょこリリーの惚れ薬
「リリー、こいつは……。人間のことなんて、これっぽっちも考えない。今すぐもとの場所に戻しておいで」
「ちょっと、自分の精霊を捨て猫みたいに言わないでくれる? アンタとの契約はまだ切れたわけじゃないのよ」
黒百合の口調がきつくなった。
怒りっぽい、この人。
……人じゃないか。
「私が死んだって、お前を自由にさせたりはしないよ。お前は危険過ぎる」
「ふん。私がいなければ、この国はとっくに滅びてる。そのことを忘れてはいないだろうね」
「ああ、そうさ! お前が……結界を張ってくれたおかげて、この国は独立できてる」
「その枠組みの中で、お前は生きてる。私に生かされていることを忘れるな」
「……その小さな枠を守るために、誰を殺したか、覚えているのかい?」
「一人だけじゃない。たった一人の犠牲で済んだ。私はお前達を戦から開放してやった。戦を終わらせてね」
「ちょっと、自分の精霊を捨て猫みたいに言わないでくれる? アンタとの契約はまだ切れたわけじゃないのよ」
黒百合の口調がきつくなった。
怒りっぽい、この人。
……人じゃないか。
「私が死んだって、お前を自由にさせたりはしないよ。お前は危険過ぎる」
「ふん。私がいなければ、この国はとっくに滅びてる。そのことを忘れてはいないだろうね」
「ああ、そうさ! お前が……結界を張ってくれたおかげて、この国は独立できてる」
「その枠組みの中で、お前は生きてる。私に生かされていることを忘れるな」
「……その小さな枠を守るために、誰を殺したか、覚えているのかい?」
「一人だけじゃない。たった一人の犠牲で済んだ。私はお前達を戦から開放してやった。戦を終わらせてね」