へなちょこリリーの惚れ薬
「……これは、小さなお客さんだな。密偵ではないらしい」
くす、と笑った、そのひとは、今まで見たことのないくらい柔らかそうな銀髪をしていた。
夕暮れの闇に、白い上着が浮かび上がるように見える。
「あ、あの、勝手に入ってすみません」
「いいよ。君は? どこから来たの?」
「ラウネルからです」
うちの村には、こんな綺麗な人がいたかどうか。
いや、いない。
「私の城になにか用かい?」
「森の中で迷ってしまって……、帰れなくて」
「……それは困ったね。私が送ろう」
上着のデザインが、少し古風な気もしたけど、
「ついておいで」と言われて、慌てて後を追う。
くす、と笑った、そのひとは、今まで見たことのないくらい柔らかそうな銀髪をしていた。
夕暮れの闇に、白い上着が浮かび上がるように見える。
「あ、あの、勝手に入ってすみません」
「いいよ。君は? どこから来たの?」
「ラウネルからです」
うちの村には、こんな綺麗な人がいたかどうか。
いや、いない。
「私の城になにか用かい?」
「森の中で迷ってしまって……、帰れなくて」
「……それは困ったね。私が送ろう」
上着のデザインが、少し古風な気もしたけど、
「ついておいで」と言われて、慌てて後を追う。