へなちょこリリーの惚れ薬
「私は反対したんだよ。死ぬなら私がかわりにって」

叶わないなら、せめて連れてって欲しかった。
一緒に。

「おばあちゃんはね……。ノア様が死んでからも、何度も城に行ったんだ。でも、扉は開かなかった。お前にはどうして開けられたんだろうね……」



何度も何度も。
扉の向こうに、行きたくて、行けなくて。




「こないだ、二回目に行った時も、扉は開いたわ。おばあちゃんも一緒に行こうよ」
「……私はいいよ」
「これからすぐに……。ね、おばあちゃん」
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