へなちょこリリーの惚れ薬
気づいた時には、神殿跡に二人とも戻っていた。
ローズの怪我も、何もない。

ずぶ濡れのまま、お互いの無事を確かめる。

「治ってる……。確かに岩にぶつかったのに」
「ああ……。血が出てるのを見たよ」


助けてくれたんだ。

あれは……。
あの声は。

「神様は確かにここにいる。声が聞こえたんだ」
「……」
「今日のところは帰ろう。明日、お礼に来よう」








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