へなちょこリリーの惚れ薬
時間は同じように流れる。
神にも人にも平等に。
神官が彼女を連れ去り、時間が、彼を連れて行ったのだろう。

宝捜し気分で入ってはいけない場所なんだ。ここは。



「本当にありがとうございました。軽々しく神域に入り込んだことをお許しください」
「別に構わないわ。あなたたちどこから来たの」
「ラウネルからです」とローズが答えた。

黒百合の女神は、「久しぶりに外に出てみようかしら」と呟いた。
< 212 / 275 >

この作品をシェア

pagetop