へなちょこリリーの惚れ薬
それから2年経った。

「私の両親が殺された。隣の領主に招かれたお茶会で」
「え……」
「仲が悪かったのは知っていたさ。しかし、ギリギリのところで、両家は戦わないでいたんだが。向こうは最初から殺すつもりだったんだろう」

首だけになって帰ってきた両親。
弟はまだ小さかった。



正直、突然親を殺された私たち兄弟は、すっかり震え上がっていた。
どうしたらいいか、わからなかった。
昨日まで、一緒に食事をして、笑い合って。

そんな暮らしがいつまでも続くものだと、私は信じて疑わなかった。


「……報復をしなければならなかった」

城を抜け出して冒険する、子供ではいられなくなった。

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