へなちょこリリーの惚れ薬
「迷いの森を作ったのは、黒百合なのよね」
「お願いしたのは私さ。敵が入ってこなければいいんだから」
「でも、ノア様は、死ぬこと、解かっていたんでしょう? 怖くなかった?」
「ああ」

そんなあっさり。

「ローズを失うことの方が怖かった。国が滅びたら、それどころじゃないからね」

黒百合が示した方法は、ローズを悲しませたかもしれない。
それでも。

「後悔なんてしていないよ」
< 239 / 275 >

この作品をシェア

pagetop