へなちょこリリーの惚れ薬
魔法をかけた黒百合た。
「なによ……! リリーのくせに」
「そうよ。私は友達とか精霊とか、誰かいないとなにもできない。出来そこないのへなちょこリリー。でもね今は精霊を従えてるのよ?」
「あんたなんか……!」
「なによ?」
砂糖にすごまれても、たいして怖くなかった。
私は何を怖がって、傷付いていたのかしら……?
黒百合に初めて出会った時とか、ノア様の城に夜中に行った時の方が……よっぽど怖かったわ。
「砂糖にされかけて、コレだけ虚勢が張れる神経は褒め称えるべきね。リリー、見習なさい」
「うん。もういいよ、戻してやって」
私は、術を解いてあげて、胸元をわしづかみにした。
そうよ。
ウジウジしてた自分からは、卒業。
「今度、私を馬鹿にしたら砂糖じゃすまさないから」
「……」
「庭に撒いてあげるわ。アリに食われて、一粒だって残らないわ」