へなちょこリリーの惚れ薬
道は途中で二手にわかれていた。
左の道を進む。

川沿いの道は涼しくて、途中で水をすくって飲んだ。

しばらくすると、森の先にぽっかりと野原に出た。

空が広い。

カモミールの白い小さな花が一面を覆っている。

ほかにも白や黄色の百合がたくさん咲いている。



少しだけ摘んでいこう。


ひょっとしたら。
またあの人に会えるかもしれないし。


そんな保障はどこにもないんだけど。

この先の湖まで行ってみよう。
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