へなちょこリリーの惚れ薬


暖炉で火を焚いて、服を乾かす。

彼の肩にもたれて、お喋りをした。



綺麗な銀色の髪に炎の色が反射して、輝いて見える。

こんな近いところ顔があったら、緊張する……!!


胸の鼓動が、聞こえてしまってるんじゃないとか、顔が真っ赤なのかバレてるんじゃないかとか、おばあちゃんには話せないとか、とにかく緊張してうまく話せない。

「リリー?」
「は、はははははい!」
「どうしたの?」
「き、緊張しちゃって! だってすごく、あの……っ」


顔が近くて!


「落ち着いて」

ぎゅっと肩を抱かれて、緊張が最高潮に達する。

「……」
「リリー?」

こんな間近で見つめられたら……。





帰れなくなっちゃうよ。




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