へなちょこリリーの惚れ薬
家へ戻ると、おばあちゃんはいなかった。
顔を洗って、服を着替えてベッドに転がる。

机の上に放置してある惚れ薬が太陽の光を受けてキラキラ輝いている。


惚れ薬を作ったのは遊びみたいなもので。
私なんかにあの人は似あわない。
……まるで釣り合わない。

少し年上の素敵な人。
話ができるだけでもいいと思っていた。


……そんなことなかった。



「……はあ」



村の近くまで送ってもらって手を振った。
離れたくなくて。

自然に胸に手を当てる。







ここが、苦しいの……。
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