へなちょこリリーの惚れ薬
四角い窓からは木々の輪郭が灰色の空を切り取っている。

今日も、また雨。


学校行きたくないな……。


あたしみたいなのが彼氏欲しいなんて、まだ早いのかな。


重い頭を起こし、机の引き出しを開ける。鏡をのぞけば、長いだけでほったらかしの赤い髪。
ブラシでとかして、三つ編みにしてみる。
気に入らなくて、半分を編み込みにしたり、リボンをつけてみたりする。

(あんまり変わらないわね……)

可愛くなりたい。
せめて、彼の隣にいても、恥ずかしくないくらいに。
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