へなちょこリリーの惚れ薬
寂しさなんて、もう慣れた。
「……どうしてそう思うんだい?」
「あたしは魔法が使えない、できそこないだから」
「誰かに言われたのかい?」
「クラスの子とか、先生とか」
「家族は?」
「言わないけど……、そう思ってるに決まってる」
「いつからそんな風に思ってた?」
「……いつから?」
あたしはいつからそんな風に思ってたんだろう。
口に出して、初めて気付いた。
「わかんない、です」
あたしは、ドレスを握り締めていた。
知らないうちに。