へなちょこリリーの惚れ薬
望み
「魔法が使えない魔女は別に珍しくない。ただ、使えるようになる時期が、早いか遅いかの違いさ」
「……そうでしょうか」
「いずれ使えるようになる。きっかけさえあれば、能力は目を覚ますものさ」

返事をしないあたしに、ノア様は

「……私の言葉を疑っているようだね」

と言った。



「いえ、そんな」
「じゃあ、話題を変えようか。リリー、君の好きなものは?」
「好きもの?」
「好きなことでもいい」

「他人の評価で、自分を決めることはない。君がしたいことはなんだい?」
「したいこと……?」
「君がしたいことを探さなきゃ」
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