へなちょこリリーの惚れ薬

「何もない……です」
「本当に?」

やりたいこととか、特にない。

「綺麗なドレスを着てみたい、ぐらい」
「それなら、その方法を探せばいい」
「どうやって」
「自分で縫うとか。あとは……王子様と結婚するなんてどうだい?」
「はあ?」
「リリーは綺麗になるよ」

もっと君が大人だったら、きっと恋に落ちているよ。
そう言ってノア様は笑った。



「あたしは……」




あなたが、好きです。





……そんなこと、言えない。


「リリー。年上と話すときは、『私』といいなさい」
「あ、はい」
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