へなちょこリリーの惚れ薬
一方その頃。

「ギャー……」
「シャーロット、うるせーよ……」
「ニギャー……」

肉球が頬をグニグニと押す。
シャーロットの鳴き声に気づき、トレニアは目を覚ました。

「どうしたっていうのよ……」
変身させる。

「リリーが、夜中に出歩いてる。様子がヘンだ」
「……なんですって!?」

窓から、確かにリリーが見える。
こんな時間なのに、ちゃんと着替えて。

(どうしたっていうの……? やっぱり城に行ってからおかしい)

魔法が使えない、へなちょこリリーを放っておけないわね。


「行くよシャーロット」
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