絶対に許さない
 律音(りつと)くんともっともっと仲良くなりたくて、文化祭でコスプレ喫茶を提案した。
 文化祭当日。律音くんの好きなアニメキャラである、アイドル戦士もどかちゃんのコスプレをした。

(もどかちゃんに似ているね。僕の彼女になる?)

 そんな台詞を妄想してはしゃいでいると、律音くんに空き教室に呼び出された。
 もしかして告白される? ドキドキして心臓が破裂しそう。

「もどかちゃんのコスプレをするな! 三次元の女がどんなに頑張っても、二次元の女にはなれないから!!」 
 
 告白ではなく、クレームだった……。

 律音くんの笑顔が見たかった。喜んでほしかった。彼女になりたかった。
 けれど――想いは玉砕した。

 号泣する私に、友達は諦めるよう説得してくる。

天羽(あまは)のどこがいいのか全然わからない。陰気なアニメオタクじゃん」
美雨(みう)はさ、恋に恋してるだけなんだよ。目を覚ましなよ。陰キャと付き合ったって、会話にならないって!」

 だけど、律音くんへの想いは薄れない。陰気なアニメオタクだろうが、なんの問題も、障害もない。
 
 

 
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