だって運命は、輝きつづけるから 〜君とつくるラストダンス〜

憧れ

「7位のデビューメンバーは MIKURU !!」

お兄ちゃんが韓国でアイドルデビューをした。
お兄ちゃんのデビューは家族誰も予測していなかったので本当にびっくりしすぎて声も出なかった。お母さん、お父さん、そして私の3人が居たはずなのに、リビングに沈黙が続く。
最初に沈黙を破ったのはお母さんだった。
「んっはぁはぁっ、え?実狗がデビューしたわよ!!泣泣」
「み、実狗ぅーー泣泣泣」
「お父さん、、泣かないでよぉーー泣泣」
私まで泣いてしまった。お母さんとお父さんの涙につられてしまった、というのは完全なる言い訳である。お兄ちゃんはデビューが決まった瞬間、とてつもなく泣いていた。嗚咽するくらいに。きっとお兄ちゃんも予想していなかっただろう。今までデビュー圏外だったお兄ちゃんがどうしてデビューできたのか、それはお兄ちゃんにしかわからない苦労があったのだろう。
そう思ったらまた涙が出てきた。
 
当時中学2年生だった私がKPOPアイドルを目指すきっかけとなったのはこの時だった。完全なるお兄ちゃんの影響で、お兄ちゃんのようなアイドルになると心に決めていた。
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