彼女は渡さない~冷徹弁護士の愛の包囲網
先生は私の唇にまた吸い付くようにキスをした。
「そんなわけがあるか。再会した時に一目ぼれしたんだと思う。昔、目の前で泣いていた少女が大人になって、蝶のように綺麗になって、そして目標を持って歩き始めていた。しかも僕の所へ来たいと思ってくれたこと、本当に嬉しかった」
「先生……」
「君は?君こそ僕をどう思っている?離婚するつもりと何度も言うから、僕に気持ちがないんだとわかって……そのせいでずっと告白できなかったんだ」
先生は恥ずかしそうに顔をそむけた。先生が可愛い……私は先生の首に飛びついた。
「ごめんなさい。私も先生が好きです。それに尊敬してます。だって何度も怖い人から私を救ってくれた王子様ですから……」
「じゃあもう我慢しなくてもいい、佳穂?」
耳元で先生が私の名前を甘くささやく。すると金縛りにあったように身体が動けなくなった。先生は私を観察してじっとしていた。拒む時間をくれたのだろう。私が拒まないとみて嬉しそうに笑った。そんな笑顔を見たことがなかった。彼は始まりを告げるように私にそっと優しいキスをした。
「んっ!」
「佳穂は甘い……」
そう言うと、先生は私の首周りを抱きかかえて口を割るようにキスをした。
「ん、んう……あ……う……」
「ブドウの味なのか?甘い……いい香りがする……」
先生は深いキスを繰り返しながら私の胸回りを服の上から触っていた。首元のボタンをひとつ片手で開けてから一瞬止まり、私をじっと見た。私がまた拒まないと見るや否や、あっという間に前を広げてしまう。先生が私の素肌を見てごくりと唾をのんだのがわかった。